mokujiにある雑貨・古物いろいろ

mokujiにはオリジナル雑貨、作家物以外にも、主に実用性のないちょっと古い物、まあまあ古い物なども置いています。 実用性のないものはやはり、実用性のあるものよりかは売れません(当店の場合です)。
けれども、自分はどうにもこの実用性のないものが無性に好きで、
個人的に蒐集するはおろか、結局お店にも用途のない古いものを並べてしまう次第です。
用途のないものとはなにかというと、基本的には「顔」のあるものだと思っています。
人形や民芸以外の「道具」のようなものにも、古いものには顔、ならびに表情があって、
それが古いもの特有の、あの言いようのない「愛嬌」となっているように思います。
まあ、要するに当店で扱っている品々は、飾ったり眺めたりするしか活用法のないものです。
活用法のないものは実はコレクタブルアイテムという別名も持っているのですが、
あいにく当店ではコレクターをうならせるレベルのものはあまり置いていません。
ジャンルを絞って、なにかに特化して専門的に物を販売する勇気も才能も知識もないので、 開店から一貫して当店にならんでいるものは主に骨董市などで集めた昭和レトロ、民芸、器っぽいもの、木のもの、人形、あとは青梅のY氏から委託された世界のかっこいい古物などなど、金額的にはリーズナブルで細々したものが多いです。


いろいろあって面白い、と言ってくれる方もいますが、悪く言えば中途半端とも言える。 己の「これは好きだな」という感覚のみを頼りにしたざっくばらんな選択。
自分でも、独りよがりだなあ、と売り場を見渡してふと思う時もあります。
けれども、ごくたまに、この空間から気の合うものを選びとってくれる方がいて、
そんな時はとても嬉しい。ほんとうに嬉しい。
「これは好きだな」と思っていても、その思い自体はとても孤独。 もしかして分かってくれる人がいるかもしれない、という弱気な期待がぽつんとあるだけ。
だから、それを共有してくれる人がいるということはこの上なく嬉しい。
身近な人同士でもなかなか共有できない部分を、見ず知らずの人と共有することができる。
それはほんとうに素晴らしい体験です。




興味のない人には手にも取ってもらえない用途のない古い物たち。 売れないので、悲しきかな品物はどんどんと増えていきます。(見に来てね) 商売である以上、売れないよりかは売れた方がいいわけだけど、
しばらくはこの雑然感を続けてみようかと思っています。
わたしはこの店にある用途のないものたちを、心の底から可愛いと思っているので。
基本弱気ですが、そこの部分だけは確かなので、 今後もひとつどうぞよろしくお願いいたします。
(散漫な長文になって失礼)



